2007年02月03日
あどけない笑顔
里の母が けがをして救急車で運ばれたと言う電話で
バタバタと大阪へ走った夜
大仕事の直前での事なので
昼過ぎの電話だったけれど、
そのまま 即出発して、 その日の夜中か 明け方には帰ってくる位の気持ちでいたのに、
結局、 車での往復を家族に止められて 新幹線に 飛び乗った
不幸中の幸いで、 主役(?)の母は 手術も必要なく、
短い入院生活で済みそうで 一安心。
ところが、 母が私に 電話してきた訳は 思わぬ所にあった
父に ボケが始まっているという
遠くへ嫁いだ娘には よっぽどの事でないと ヘルプを頼まない母
あわてて電話してきたのは 父が心配でたまらなかったからだったのね
柔らかく、 この頃物忘れがひどくてね~ なんて言ってたくせに
実は 頑張ってたんだ
まだ始まりの段階らしく、 まだらボケの状態
話していても ボケてるというのが とても信じられない時も多い
私が帰ってくる時は 調子の良い時が多かったらしく、
何度会っていても 今までまったく気付かなかった
仕事の日程にひっかけて つい先週泊まった時も まるで普通だったのに
院内の売店へお弁当を買いに行ったのに
デパートまで行ってきて
「ああ、 ようけ歩いたわ。」
と、ニコニコ顔で手ぶらで帰ってくる姿が
現役時代、 時代の最先端分野でバリバリ活躍していた姿とかぶって、
胸が張り裂けそうになってしまう
母が急に入院してしまったので 急速に進んでしまったらしい
仕事の山が待っているけれど、
母の病室にも できる限りいてあげたい
夜中過ぎに帰宅できる最終便ギリギリの時間に
父と一緒に駅へ向かっていたら、
「わし、電車乗った事ないねん。」
とニコニコしている
そのあどけない笑顔を見ていたら、
心配で心配で、
このまま家までひとりで帰せない気持ちを抑える事ができなくなってしまった
それでも、父の前では 絶対涙を流してはいけないと 決心したから、
私もにっこりと微笑み返した
「もう一晩泊めてくれへん?」
頭の中で クルクルと仕事の段取りをつけながら尋ねる私を
「しゃ~ないなぁ。 昔っから甘えたやからなぁ。
なんぼでも泊めまっせ~」
豪快に笑い飛ばした
つられてつい、私も一緒に大笑いする
お陽さまのような好々爺ぶりが いとおしい
Posted by みーせん at 20:18│Comments(0)
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